【記事全公開】大切な家族を怒鳴ってもそれを忘れてしまう 運送業 岡崎さんの場合

高校生の時にバイク事故で生死をさまよい、重度の記憶障害、社会的行動障害が残った岡﨑さん。このため、人間関係のトラブルが絶えず、転職は100回以上!嫌な事も楽しい事も、記憶が抜けてしまい、自分が生きている感覚が解らなくなる時があると言います。
未診断のまま、15年以上総当たり戦の人生を送っていた岡﨑さんを支え続けたのは家族とケースワーカー、そして回復のきっかけはNPO活動でした。

専門家による寸評

言語聴覚士西村紀子

未診断のまま様々な困難を経験してきた岡崎さん。
重度の記憶障害があるため、多くのトラブルにおいても、あまり本人は詳細を覚えていません。今回の取材はお母様に聞き取りをしたり、奥様同席の取材でした。
「記憶障害がある人は、嫌な体験を忘れるから、負の感情が積み重ならないんだよね」と思われがちですが、忘れていることに対する不安や恐怖感は、私たちが想像する以上のものであるようです...

専門家による寸評

文筆業鈴木大介

我慢できない」「わがままになる」といった文脈で表現されることの多い「易怒」の特性ですが、当事者の立場からすると、大変心外です。自分でもコントロールできないほどの怒りが猛然と湧き上がってきて、それを必死に抑えて抑えて、我慢しているのが、当事者の感覚だから。

多くの当事者がその発作的な怒りを、暴言や暴力といった形で発露してしまった後になって「なんで抑えられなかったのだろう」「...

インタビュー記事

ぼくは、運の悪い男や

「とにかく、僕は運の悪い男や、世の中に僕ほど運の悪い男はいない、って思い続けてましたね」
歳で事故を起こす前の職歴は、八百屋や居酒屋でのアルバイトだったという岡崎さん。幸い身体に大きな麻痺は残りませんでしたが、医師から高次機能障害の診断は出ませんでした。告げられたのは「知能低下」のひとこと。けれど、岡崎さんが「運が悪い」と思ったのは、事故を起こしたことではなく、その後の仕事が全く続かなかったことについてです。
岡崎さんは事故の直後から「緑が脳の回復にいいかも」という周囲の勧めもあって、ゴルフ場でグラウンド整備のバイトを始めましたが、短期間でトラブルを起こし、辞めさせられてしまったと言います。
「あの時は、何かに腹を立てて、怒ってしまったんですね。職場で。相手は、マネージャーとか、そういうお偉いさんやったと思います。思いっきり怒鳴ったということは覚えてますけど、なんで怒鳴ったのかということは憶えてないんです」
高次脳機能障害の特性の一つとして指摘される「易怒(いど・怒りやすさ)」による、発作的な激怒。この怒りによる対人トラブルは、その後の岡崎さんをずっと苦しめ続けることとなります。

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