高次脳機能障害や失語症の人の「就労」におけるこまりごと
戦略的方法について情報を集めた「壺」を目指して活動をしています

チーム脳コワさん

高次脳機能障害の現状

高次脳機能障害者は、特に軽度の場合、医療の現場では診断を見過ごされたり、生活の場では必要な支援をうけられなかったりします。また、精神障害とも身体障害とも違うので、現状ある制度のはざまに陥り、利用できる社会資源が乏しいのが現状。さらに「軽度だから大丈夫よ。そのうち慣れるから。」などと軽く言われることもあります。このように、高次脳機能障害の当事者は、退院した後、特に就労の場で起こる障害による困りごとを、周囲の人に分かってもらえずに苦しんでいます。
一方、医療者や支援者も、一見何の問題がないように病棟生活を送っている目の前にいる患者さんが、生活の場に戻ったら、いったい何に困るのか、知らない、想像を巡らせてもなかなか分からない、分かっても今何をしてあげられるのか分からないという状態。

チーム脳コワさん発足!

「では、その見落とされた隙間を、誰かが埋めなければ!」こうして立ち上がったのが、当事者と支援者が共に学び合う場『チーム脳コワさん』です。お互いの困りごとに向き合い、お互いから学び合い、それぞれの立場で出来ることをして、今ある隙間を埋めよう!というのが脳コワさんの理念です。

チーム脳コワさんが描く理想の未来

今までは、距離がある2点の狭間を埋めるには、2点の中間地点で落ち着かせるため、どちらかが妥協する必要があったと思います。しかし、今時代は変わり、距離ある2者が学び合うことで、どちらからも等距離の第3案を生み出すことができるのです。 脳コワさんでは、その第一歩として、お互いにお互いの立場を分かり合うこと、そして今までになかった新しい視野を手に入れることができます。どうぞ「チーム脳コワさん.com」をどんどん活用してくださいね。このサイトで学んだ知識が、皆さんの明るい未来への架け橋となりますように。

発起人の二人

鈴木大介 氏

1973年千葉県生まれ。子供や女性、若者の貧困問題をテーマにした取材活動をし『最貧困女子』(幻冬舎)、『ギャングース(漫画原作・映画化)』(講談社)、『老人喰い』(ちくま新書・TBS系列にてドラマ化)などを代表作とするルポライターだったが、2015年に脳梗塞を発症して高次脳機能障害当事者に。その後は高次脳機能障害者としての自身を取材した闘病記「脳が壊れた」「脳は回復する」(いずれも新潮社)や夫婦での障害受容を描いた「されど愛しきお妻様」(講談社)などを出版。近刊は援助職全般向けの指南書「『脳コワ』さん支援ガイド」(医学書院・シリーズケアをひらく・2020日本医学ジャーナリスト協会賞大賞受賞)、『不自由な脳』(金剛出版・共著)など。「里奈の物語」はルポライター時代の取材を投影した唯一の小説表現。

西村紀子 先生

1992年 大阪大学人間科学部卒業 2003年 言語聴覚士 取得。 老人保健施設、療養病院、一般病院、回復期病院、脳神経外科病院に勤務。2018年 NPO法人Reジョブ大阪を設立。高次脳機能障害者、失語症者の社会復帰支援、家族のケア、啓発を理念に、当事者会、講演やイベントなどSNSを使って広く活動。2020年には「失語症の日」認定に関わる。現在、当事者や家族が障害について学び、自立した生活を支援するオンラインスクール「脳ケアゼミ」を開始。2019 年(株)くるみの森を設立。オンラインでの言語リハを事業化。

会員登録について

アカデミー会員

当事者の声や、支援の現場から専門家のインタビューなどのコンテンツが全文表示され、動画もフルサイズの視聴が可能となり、より詳しい情報が得られます。 また、セミナーや交流会にお得な会員価格で参加可能!セミナー終了後も、セミナーの様子を動画で視聴可能となります。

冊子会員(月額1,000円)

NPO法人Reジョブ大阪が運営。 どんな困りごとがあるのか、記事になった紙面で読みたい人向け。 毎月1冊『脳に何かがあったとき』という冊子が届きます。毎号2名、高次脳機能障害の当事者が、生活の場に戻った時の困りごとをインタビュー。それを編集した冊子です。また、冊子に登場する当事者をインタビューしたあとの、鈴木大介、西村紀子の対談動画も少しだけシェアする冊子会員用サイトも閲覧できます。

「脳コワさん」とは

「脳コワさん」とは、チーム脳コワさんのメンバー、ルポライター鈴木大介さんの著書『脳コワさん支援ガイド』で紹介されている造語。「受傷経緯や診断された病名などが異なっていても、脳に何らかのトラブルを抱えた当事者」という意味です。 脳コワさん=つまり、脳にトラブルを抱えた当事者は、病名や発症経緯、障害の機序が異なっていても、共通する「困りごと」を抱えているのです。